税理士試験で大事な試験委員の意図

⒈税理士試験の出題のポイント

税理士試験は毎年夏ごろに試験があり、それからしばらくすると試験の各科目において、税理士試験の出題のポイントというものが国税庁のホームページにおいて紹介されます。

税理士試験ではこの問題の正解は何かや配点はどれくらいか、採点基準はどうなっているのかなどが全く公表されていません。
その代わり、出題のポイントを紹介することでどのようなことを問うたのか、今回の試験に関してどのような意図があって問題を出題し、どんな解答を期待していたのかというものがここで明らかになります。

それを見て大体同じようなことを書けていたはずだと納得したり、全く意図するものと違う意見を書いていたりすることがあり、この科目は落としたがあの科目は合格しているというのがわかります。

ところが、これが結構バラつきがあることがわかっています。
科目は複数ありますが、科目によっては的確に書かれており、根拠となるものを持ち出して書かれているのに対して、別の科目ではアバウトにしか書かれていないこともあります。

毎年工夫をしているケースもあればコピペをしているようなものもあり、それを読み解くことは意外と大変です。

⒉本番の試験ではすべての努力が無駄になることも・・・

税理士試験に臨む際には多くの人は専門学校や講座などで勉強を行い、模擬試験などを受けて臨みます。
またこれまでに出題された問題や出題のポイントを見ながらどのように解けばいいのかなども事前に何回も何十回もシミュレーションを立ててこなしていきます。

ところが、本番の試験ではすべての努力が無駄になることも珍しくありません。
それぞれの科目は試験委員と呼ばれる人のさじ加減ですべてが決まるため、学校などで解いてきたような問題とは全く異なるようなテイストのものも珍しくなく、意図を図りかねている間に終わることもよくあります。

結局こうした試験で重要になるのは制作者の意図を理解すること、これに尽きます。
大学の試験などでも現代文の答案を埋める際に作者よりも問題制作者の意図を理解しなければならないことがよく言われ、その文章の作者と相反する答えになることがあります。

相手がどのような意図で問題を作ったのか、それを自分の中でしっかりと考えて答えを出すことがこの場合には求められます。
結局知識を詰め込むだけでは合格は難しく、試験委員は何を考えて、どんなことを試験を受ける人たちに期待しているのかを読み解かないと結構大変です。

⒊試験委員の言いたいこと、そして自分の出した結論がどれだけマッチするか

こうしたこともあるので、本番の試験を受ける前までそれなりのレベルにまで到達していたとしても、最終的に不合格に終わることはよくあります。
たいていの場合は何を書いていいのかもわからなくなるほど意図が読めないケースであり、結果的に何度も答えを模索していくものの、満足のいく答えは出せなかった場合がほとんどです。

もちろんこれしかないというものはなく、結局その人が自分なりの結論を出せたかどうかにかかっています。
試験委員の言いたいこと、そして自分の出した結論がどれだけマッチするか、これが大きな鍵を握ります。

では、どういう時に理解できるかどうかですが、結局は学習レベルがまだまだだったか、別の着眼点に気がつかなかったかなので、基本的には学習レベルがそれなりのものであって、様々な着眼点を持てる人は試験委員の変化球的な問題も打ち返すことは可能です。

学習レベルの問題はいくらでも何とかなるものの、着眼点に関することはなかなか克服することは大変です。
おすすめなのは初見の問題を数多くこなすことです。
パターンで答えられそうな問題をいくら解いたとしても、着眼点を増やすことは難しいです。

⒋毎年の傾向を見ることはとても大事

税理士試験をこれまで支えてきた専門学校ですら出題のポイントを見誤ることがあります。
解説を間違うことも多く、試験を受ける側がすべてに対応をすることは非常に難しいです。

そうなると試験を受ける側がどのように対応していけばいいか悩むところですが、学校で学んだことだけをやるのではなく、それ以外のところもできるだけ抑えていくことや何年かかけて勉強を行っていくことにシフトするのが一番です。

学校でも軽視したようなところが問われることが意外と多く、全くのノーマークで本番で青ざめるようなこともこうした試験ではよくあります。

毎年の傾向を見ることはとても大事なことであり、その分析をすることは非常に重要です。
試験委員が思いつきのように問題を作っているわけではなく、何かしらの意図がそこには含まれています。

最近の情勢に照らし合わせて問題を作る人もいればあまり考えない人もいます。
その傾向を見極めることも重要であり、科目によってその傾向は大きく異なります。
ヤマを張るよりも基本的なことと例外的なことを学んで理解することがこうした試験では重要と言えます。

税理士試験は1つ1つをいかにクリアしていくかが大事であって、近道は存在しません。
まずはいくつかの科目に絞って合格し、それを毎年繰り返すことが大事です。

出典:滋賀の税理士・公認会計士といえばOMI税理士法人|滋賀県大津市